条件付き書式 新しいルール
条件付き書式では定義済みのルールを活用する方法と自分で新しいルールを作成する方法の2種類あります。
今回は「新しいルール」をつかって自分でルールを作成していきます。
6種類の使い方をすべてご紹介していきますので、あまり「新しいルール」に馴染みのない方は是非ご覧になってみてください。
ちなみに定義済みのルールについては以下を参照ください。
使い方は対象セルを選択してホーム(リボン)の「条件付き書式」から「新しいルール」を選択します。
新しいルール画面から種類を選択し種類ごとにルールと書式を設定します。
新しいルールは以下の6種類から設定できます。
- セルの値に基づいてすべてのセルを書式設定
- 指定の値を含むセルだけを書式設定
- 上位または下位に入る値だけを書式設定
- 平均より上または下の値だけを書式設定
- 一意の値または重複する値だけを書式設定
- 数式を使用して、書式設定するセルを決定
1から5は「定義済みのルール」の内容と似ています。
基本的には「定義済みルール」は新しいルールのなかでよく使われるものを使いやすく定義済みにしただけです。
6が数式を使用して対象セルを決定できる機能です。
これを使うと行全部書式を変えるなどが可能となります。
「6.数式を使用して、書式設定するセルを決定」を使いこなすことができれば、やれることが増えていきます。
例えば、
「TODOリストのステータスを「完了」に変更したら、行全体がグレーに網掛けされる表を作る」
「2つの表で違いがあるセルを赤くする」
などができるようになります。
まずは基本の使い方をここでご確認いただければと思います。
それでは一つずつ見ていきましょう。
セルの値に基づいてすべてのセルを書式設定
こちらは定義済みルールの「データバー」「カラースケール」「アイコンセット」と同様となります。
書式スタイルで選択したスタイルごとに最大値・最小値などの条件を詳細に決定できます。
書式スタイルは4種類あります。
- 2色スケール
- 3色スケール
- データバー
- アイコンセット
それぞれ確認しましょう。
2色スケール
最小値/最大値ごとにルール(種類、値)と書式(色)を設定します。
例)2色スケールの例
3色スケール
最小値/中間値/最大値ごとにルール(種類、値)と書式(色)を設定します。
例)3色スケールの例
データバー
最小値/最大値のルール(種類、値)と書式(バーの外観)を設定します。
例)データバーの例
アイコンセット
アイコンごとにルール(記号、値、種類)を設定します。
例)アイコンセットの例
指定の値を含むセルだけを書式設定
セルに書式設定するルールの設定と適用する書式の設定を行います。こちらは定義済みルールのセルの「強調表示ルール」(重複以外)とほぼ同じですが、空白やエラーなどのルールが設定できる点と適用する書式が自由に設定できる点が異なります。
指定可能なルールは以下の組み合わせとなります。
種類 | 指定可能な条件 | 備考 |
---|---|---|
セルの値 | 次の値の間 次の値の間以外 次の値と等しい 次の値と等しくない 次の値より大きい 次の値より小さい 次の値以上 次の値以下 | |
特定の文字 | 次の値を含む 次の値を含まない 次の値で始まる 次の値で終わる | |
日付 | 昨日 今日 明日 過去7日間 先週 今週 来週 先月 今月 来月 | |
空白 | - | 定義済みルールにない |
空白なし | - | 定義済みルールにない |
エラー | - | 定義済みルールにない |
エラーなし | - | 定義済みルールにない |
適用する書式は「書式」ボタンからセルの書式設定画面を開き設定する。
例)セルの値、次の値の間を指定した例
上位または下位に入る値だけを書式設定
定義済みルールの「上位下位ルール」(平均以外)と同等ですが、書式が自由に指定可能です。
例)上位3項目を指定する例
平均より上または下の値だけを書式設定
定義済みルールの「上位下位ルール」(平均)と同等ですが、書式が自由に指定可能です。
選択範囲の平均値で選択可能な値は以下です。
例)平均より1標準偏差上を指定した例
一意の値または重複する値だけを書式設定
定義済みルールの「セルの強調表示ルール」(重複)と同等で、適用する書式が自由に指定可能です。
例)一意の値を指定した例
数式を使用して、書式設定するセルを決定
数式をルールとして指定して適用する書式を指定できます。
この数式を用いるルールはほかの5種類と決定的に違う部分は
「他セルの値を条件として自セルの書式を変更することができる」
です。
ほかの5種類はルール(条件)に合ったセルの書式を変更していますが、数式を用いる場合は他セルの値によって自分のセルの書式を変更できるということです。
例を使って確認しましょう。
例1)以下の成績表で合計400点以上の氏名を太字に変更します。
まずはA2セルからA7セルを選択し「新しいルール」画面を開きます。
選択しているA2セルからA7セルの中で白く反転しているセルが数式の起点となるセルとなります。ここからの相対位置を意識して設定する必要があります。
以下の数式を入力し、書式を太字に指定します。
=H2>=400
「H2」セルはA2セルからの相対参照のため、ほかの選択肢A3からA7の場合はH3からH7に参照が変更されます。
上記状態でOKボタンを押下します。
複合参照にすることで行全体で同じ条件付き書式を設定することができます。
例2 以下の成績表の合計が200点以下の行の書式を変更します。
A2セルからH7セルを選択し、「新しいルール」を開き、以下の数式と書式を設定します。
=$H2<=200
A2セル(選択中で反転しているセル)が起点となり、「$H2」セルが列固定の複合参照として指定されています。このためB列からH列までセル位置が移動しても列はH列(合計)で固定された状態となります。
OKボタンを押すと200点以下の行の書式が変わります。
こちらのほうが行全体の書式を変更できるため目立ちます。
数式を用いた条件付き書式は以下の点にご注意ください。
- 選択中のセルの中で反転しているセルを起点にする
- 反転していないセルは起点にするセルの値からの移動値が考慮されるためセル参照の方法をきちんと考えて設定する必要がある
セル参照(相対参照、絶対参照、複合参照)については以下を参照ください。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
今回は条件付き書式の「新しいルール」6種類について、使い方をご紹介いたしました。
- セルの値に基づいてすべてのセルを書式設定
- 指定の値を含むセルだけを書式設定
- 上位または下位に入る値だけを書式設定
- 平均より上または下の値だけを書式設定
- 一意の値または重複する値だけを書式設定
- 数式を使用して、書式設定するセルを決定
繰り返しになりますが、6番目の「数式を使用して、書式設定するセルを決定」については本当にやれることが増えていきます。
以下のページでは「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を応用して、2つの表の違いを見つける方法をご紹介しています。
ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。
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