Excel2016
シートの保護
シート内でのセルの編集、数式バーの非表示、15種類のセル操作をできないように制御することが「シートの保護」で可能となります。
不特定多数の人に配布するExcelファイルに変更してほしくないセルを編集不可にしたり、行の挿入や列の挿入ができないようにすることができます。
「シートの保護」では大きく3つの制御ができます。
- ロックされたセルの編集を不可にする
- 計算式を数式バーに表示しないようにする
- 許可した操作以外は使用できないようにする
それでは使い方をご紹介します。
ロックされたセルの編集を不可にする
シートの保護をするとロックされたセルは編集不可となります。
「ロックされたセル」とはセルの書式設定の保護タブでロックをチェックしている状態を指します。
初期設定(デフォルト)でロックはチェックされています。そのため何もせずにシートの保護を行うとすべてのセルが入力不可となります。
ロックの解除を行いたい場合はロックのチェックを外します。
OKボタンを押して、校閲リボンの「シートの保護」をクリックします。
シートの保護画面が表示されます。
シートとロックされたセルの内容を保護するにチェックを付けてOKボタンを押します。(パスワードを設定すると再確認画面が表示されます)
ロック解除していないC3セルをダブルクリックすると、エラーメッセージが表示されます。
次にロック解除したB3セルをダブルクリックすると編集することができます。
計算式を数式バーに表示しないようにする
セルの書式設定の保護タブにはロックのほかに「表示しない」チェックボックスがあります。
「表示しない」にチェックを付けると数式バーに表示されなくなります。
以下のシートのB11からB13セルの計算式を非表示にします。
OKボタンを押して、校閲リボンの「シートの保護」をクリックします。
シートの保護画面が表示されます。
シートとロックされたセルの内容を保護するにチェックを付けてOKボタンを押します。(パスワードを設定すると再確認画面が表示されます)
B11セルを選択しても数式バーに計算式が表示されません。
このように「表示しない」を利用すると計算式を隠すことができます。
許可した操作以外は使用できないようにする
シートの保護画面「このシートのすべてのユーザに許可する操作」から15個の操作を許可することができます。
選択された操作だけが利用できるようになり、選択されない操作は利用不可となります。
よく逆に考えてしまう人がいるのでご注意ください。
許可できる操作は以下15種類となります。
- ロックされたセル範囲の選択
- ロックされていないセル範囲の選択
- セルの書式設定
- 列の書式設定
- 行の書式設定
- 列の挿入
- 行の挿入
- ハイパーリンクの挿入
- 列の削除
- 行の削除
- 並べ替え
- オートフィルタの使用
- ピボットテーブルとピボットグラフを使う
- オブジェクトの編集
- シナリオの編集
デフォルトでは「ロックされたセル範囲の選択」「ロックされていないセル範囲の選択」にチェックがついています。
チェックを外すとセルを選択することができなくなります。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
「シートの保護」ではかなり細かく「やれること」と「やれないこと」が設定できます。あまり「やれないこと」が多いと利用する人がストレスを感じるので、「絶対にやってほしくないこと」だけ制限をかけることをお勧めします。
マクロ(VBA)ではセルの位置が移動するだけで動かなくなるなどのリスクがあるため、「列の挿入」「行の挿入」「列の削除」「行の削除」を利用不可にしたい場合はターゲットの操作以外は許可することで利用者のストレスが軽減されると思います。
また、今回の例ではパスワードをかけていませんが、必要に応じてパスワード設定ができます。ただし、パスワードをかけるとパスワードの管理が必要になってきます。
担当者がいなくなったらメンテナンスができなくなってしまう可能性もあるので十分に注意してパスワードの管理をしてください。
以上、参考になったらうれしいです。
Excelをもっと勉強したい方にお勧めの本です。
興味のある方はご覧になってみてください。
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